1分で話せ

はじめに

総評

本書の冒頭には2パターンの新商品紹介例文の記載があります。
一方は、余計な情報を詰め込み過ぎてしまい、ついつい話が長くなってしまった例、
もう一方は簡潔に要点を押さえた例文。どちらが詳しく話を聞きたくなりますか?と言う問いかけがスタートです。
様々な理由からいらない情報を省けない、どうしても要点が埋もれてしまう、さらにその事実に気がついていない、そんな方におすすめできる伝える技術の必読本です。

こんな方にオススメ!

・ここぞと決めたいトークの際に決めきれない方

・話が長い、要点から話せと言われてしまう方

・人を惹きつけるような話、人に動いてもらえるような話ができる様になりたい方

著者紹介

 著者の伊藤洋一さんの現職は、ヤフー株式会社コーポレートエバンジェリスト、Yahoo!アカデミア学長、株式会社ウェイウェイ代表取締役です。様々なメディアへの出演や各種講演、スタートアップ企業のメンター、複数の書籍の執筆など多岐に渡って活躍されています。

 東京大学経済学部を卒業後、日本銀行に入行され企業金融・事業再生支援などに従事、2003年にプラス株式会社へ転職し事業部門のジョインテックスカンパニーにてロジスティクス再編、事業再編を担当、2011年からは執行役員マーケティング本部長、2012年からはヴァイスプレジデントとして事業全般を統括されました。2015年にヤフー株式会社に転じ、次世代リーダー育成を行う傍ら、グロービス経営大学院客員教授としてリーダーシップ科目の教壇にも立たれています。

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ポイント解説「ここを読め!」

①考える=結論を出す

 結論から話すと言うワードはビジネスの現場では数多く使われています。しかしながら実際には「売上が上がっています」「この度の調査では〇〇が伸びています」といった事実やデータが結論の位置に置かれてしまっていることが少なくありません。いくらデータや根拠を数多く並べても相手に結論が伝わっていない状態では、単なる報告になってしまいます。
 本書では大前研一氏の言葉を用いて「考えるとは、知識と情報を加工して、結論を出すこと」と紹介されています。知識は既に自分の中にあるデータ、対して情報は自分の外にあるデータ、それらを加工して結論を導き出すことが即ち”考える”ということになり、相手のどんな動きをしてもらいたいのかその結論を出すための組み立てを行うことからプレゼンが始まります。「プレゼンとは自分が伝えたいことを伝える時間ではなく、相手の頭の中に自分の伝えたいことの骨組みや中身を移植していく作業」であると紹介されています。

②正しいことを言うだけでは人は動かない

 話を理解してもらうという点において、ロジカルなストーリーを組むことは大前提ですが、それだけでは人を動かすことはできないと記載されています。重要なポイントとして感情を揺さぶるためにイメージを強く想像させれらるような展開を組み込む工夫が紹介されています。
まずはロジカルに事実を認識してもらった上で、実際に行動を起こしてもらうために、聞き手自身を結論の世界に当てはめたイメージをしてもらうことがポイントとなり、
・聞き手の頭の中にイメージを描いてもらう
・聞き手にイメージに入ってきてもらう
の2通りのアプローチの組み立て方が細かく紹介されています。

③想いを込める

 最後のポイントはシンプルですが、想いを込めることの重要性を紹介されている部分です。技術的な側面も重要ではありますが、最も大切なことはその場に対して込める想いであると紹介されています。
 プレゼン内容について当事者である自分自身が世界で一番自信を持って伝えられるという気持ちで望むことができるか、そのためにできる準備は最後の最後まで突き詰めて行えているかといったマインドの部分です。
根回しやアフターフォローも本当に動いてもらいたいと言う気持ちがあれば納得するまで機会を作って行うまでのことで、カッコ悪い・ダサいなどの気持ちが見え隠れする段階ではまだまだ成功には程遠く、準備できることは全てやり切ること、そのための時間は決して惜しまないという想いと熱量こそが最も大切なことであると記されています。

まとめ

さて、今回ご紹介した「1分で話せ」ですが、様々な媒体でマルチに活躍されている著者のプレゼン極意が詰まっているだけでなく、プレゼンの本質についても思考を整理することができました。
記事で紹介した以外にも資料を作り込む上で役立つフレームワークや企業でのシーンを想定した実践例パートなどもあり一冊での満足度はかなり高く人前で話す機会のある全ての方々へおすすめです。

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